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【プリンセスの原点】「白雪姫」は何がすごい?前例がない、世界初の大挑戦だった!

2025年3月に実写版の「白雪姫」が公開されたことで、再び注目をあびている「白雪姫」。

公開から90年たってもなお、世界初の長編カラーアニメーション作品として、完成度の高さが評価される作品です。

私自身、大人になって数十年ぶりに「白雪姫」を見てみたのですが、絵や歌声の美しさに心躍り「本物は色褪せない」のだとわかりました。

当時大恐慌中において、世界初の挑戦であった、白雪姫の制作秘話についてまとめていきます!

目次

なにがすごい?スタジオの存続をかけた挑戦だった!

「蒸気船ウィリー」制作の後、ウォルトは次なる挑戦として、長編カラーアニメーションの制作を決めました。

第一作目を白雪姫に決めたのは、子どもの頃にカンザスシティで兄ロイと見た「白雪姫」の映画を思い出したからだといいます。

83分という長編への挑戦

当時のアニメーションといえば、子ども向けでコメディ要素が強い、6~7分程度の短編のものが中心でした。

前例がなく、誰もが長編アニメーションなんて想像できなかった時代。

ウォルトの挑戦に、映画業界からは「ディズニーの愚行」だと嘲笑され、また、スタジオのスタッフさえ、誰も成功を信じていませんでした。

兄ロイ・妻リリアンでさえも、思いとどまるようウォルトを説得したんだそう。

しかし、ウォルトらは、汗水たらしながら、独自に学び、全て手探りで進め、世界初の挑戦に取り組みました。

大恐慌中に300人の増員、4年半かけた

「蒸気船ウィリー」は10人で制作しましたが、本作では大幅に300人のアニメーターを増員します。

当時、アメリカは大恐慌中であり、どの制作会社もアニメーターを募集していませんでした。

募集をしていたのは逆にウォルトくらいだったので、優秀で多様なスタッフが集まりやすかったともいえます。

繁忙期には750人にまで増え、セル画担当のスタッフは1日15時間週休1日というスケジュールをこなしていたのだとか。

採用したアニメーターの育成から始め、制作には4年半もの歳月がかかりました。

莫大な予算170万ドル

当初の予算25万ドルを大幅に上回り、最終的に予算170万ドル(今約85億円)を費やしました。

これは大恐慌中に破格の制作費であり、ウォルトは全財産をつぎ込み、借金をしつつ制作に没頭します。

まさに失敗したら人生が破滅するという状況であり、スタジオの存続をかけた「一か八かのかけ」でした!

作品の魅力①リアリティの追求

スタジオ一同が長編映画の制作にあたって、徹底的にこだわったのは真実性、リアリティです。

ストーリーへのこだわり

まず、ウォルトはグリム童話の「白雪姫と7人の小人」をベースに、少数精鋭のスタッフたちとストーリーを練りました。

観客の心をつかむには、魅力的なキャラクターだけでなく、ストーリーが重要であると考えたからです。

従来の短編映画とは異なる、笑いだけでなく、悲劇要素を取り入れたリアリティのあるストーリーにすることを重視しました。

喜劇的な要素を引き出す重要なキャラクターとして、7人の個性豊かな小人たちを登場させ、物語に緩急を与えています。

ちなみに小人の名前はなかなか決まらなかったとか。
なんと、50個以上の候補から決めたんだそうですよ!

リアルな人物描写

壮大なプロジェクトも実際には、大量に雇用したアニメーターの作画訓練、育成から始まりました。

そもそもスタジオではこれまで400近い短編を作成したことがあっても、きちんとした人物の描写はなんとこれが初!

誰も教えてくれる者はおらず、独自に学ぶしかない状況で、静止画にどのように動きを付けるかが一番の課題でした。

そこで取り入れたのが、ロトスコープという手法で、役柄ごとにモデルを起用し、その動きをカメラで撮影し、トレースする方法のことです。

この方法により、しぐさ、表情、体の動きのヒントを得ることができ、リアリティのある人物描写を描くことが可能となりました。

あの滑らかでスルスルと動く自然な動きは、人の動きを細かく分析した上での結晶だったのですね!

動きの自然さを生むためにかけた労力はすさまじく、
完成したセル画はなんと25万枚!

奥行きの演出

2次元である絵をまるで3次元のような奥行きのある映像として見せるために、マルチプレーン・カメラという画期的な手法も使用されました。

マルチプレーン・カメラとは、複数のガラス板を積み重ねた機械です。

それぞれのガラス板に背景のオブジェクトを分けて配置し、それをカメラで撮ることにより、立体的かつ奥行きのある背景を表現することが可能となりました。

作品の魅力②歌

素晴らしい作画だけでなく、『いつか王子様が』『ハイ・ホー』など、魅力的な楽曲が登場します!

3人の作曲家が音楽を担当し、主題歌・挿入歌などの歌については、フランク・チャーチルが作曲し、歌詞はラリー・モリ―が担当しています。

白雪姫のために作られた楽曲はなんと25曲もあり、最終的に使用されたのは、わずか8曲であったという話をご存じでしょうか。

ウォルトは歌詞が物語の内容に沿っている曲を使用することを重視し、楽曲を厳選ししたのです。

歌詞が物語の内容に沿っている曲を使用したミュージカル調の作品は、これが初だといわれています。

批判をひっくり返した「白雪姫」

1937年12月21日に、ハリウッド黄金時代の最も有名な映画館「カーセイ・サークルシアター」で公開されました。

チャップリンをはじめ、ハリウッドセレブらも集まったといいます。

上映後、会場ではスタンディングオーベーションが起き、拍手喝采を受けるほどの大成功ぶり!

世の中が不況の時に、質の高い、美しい物語で多くの人々に「希望」や「感動」を与えたのです。

興行収入は通常の4倍の6100万ドル(約3000億円)以上の興行収入を達成し、1938年にはアカデミー賞特別賞を受賞。

会社の窮地を救った「白雪姫」の功績を称え、ディズニー本社ビルの屋根には小人の石像が作られ、今もなお支え続けています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。制作秘話を知った後に映画を見ると、さらに深く楽しめること間違いなしです!

周囲から反対され、成功の保証なんてどこにもなかったのにも関わらず、ゼロから全て人力で生み出したというのは、グッとくるものがありますね。

当時の挑戦がなければ、ディズニー社はここまで発展していなかったのかもしれないと思うと感慨深いです。

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この記事を書いた人

東京都在住、一人暮らしをしているOLです。
趣味のディズニー、旅行に関する情報を発信中!
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